大胆な投資促進税制(特定生産性向上設備等投資促進税制)とは?
この記事の結論
高市政権が令和8年度税制改正大綱で打ち出した「大胆な投資促進税制」の中身を解説。投資額35億円以上(中小5億円以上)で100%即時償却 or 7%税額控除を選択。経産大臣の事前確認が必要。AIデータセンター投資への適用可否も検証。
本記事はAIデータセンター投資ナビ編集部が、2026年5月時点の情報を基に作成しています。制度・情報は変更される可能性があります。実際の判断は税理士にご相談ください。
大胆な投資促進税制とは
高市政権が令和8年度税制改正大綱で打ち出した「大胆な投資促進税制」(正式名称:特定生産性向上設備等投資促進税制)は、大規模投資に対して100%即時償却または7%税額控除を認める新制度です。令和8年度税制改正で創設され、租税特別措置法第42条の12の7に定められています(財務省「令和8年度 税制改正の解説」)。
制度の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象事業者 | 青色申告書を提出する法人(中小企業者以外の法人も対象。所得税についても同様の措置) |
| 取得価額要件 | 経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された生産性向上設備等の取得価額の合計額が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)。あわせて、年平均の投資利益率が15%以上となる見込みであることなどの基準がある |
| 税制効果 | 即時償却(普通償却限度額との合計で取得価額まで)または取得価額の7%(建物・建物附属設備・構築物は4%)の税額控除の選択制。税額控除は当期の法人税額の20%が上限 |
| 適用期限 | 経済産業大臣の確認を受けられる期間は、改正法(令和8年法律第29号)の施行の日から令和11年(2029年)3月31日まで。確認を受けた日から5年以内に取得等をして事業の用に供したものが対象 |
| 事前確認 | 経済産業大臣の確認が必要 |
出典:財務省「令和8年度税制改正の大綱」、財務省「令和8年度 税制改正の解説」
GPUサーバー投資との関係
GPUサーバーへの大規模投資(中小企業:5億円以上、大企業:35億円以上)が対象になり得ます。ただし、本制度も国内にある自社の事業の用(貸付けの用を除く)に供した場合が対象です。数百万〜数千万円規模の投資は、本制度の取得価額要件(中小企業者等で5億円以上)に届きません。また、本制度の投資計画の確認を受けた法人は、その投資計画の期間中は中小企業経営強化税制の適用を受けられないこととされています(財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。
A類型との使い分け
- A類型(中小企業経営強化税制):中小企業者等が対象。1台・1基等の取得価額が機械装置160万円以上、工具・器具備品40万円以上(令和8年4月1日以後の取得等。同日前は30万円以上)など。指定期間は令和9年(2027年)3月31日まで。A類型は工業会等の証明書が必要
- 大胆な投資促進税制:投資計画の取得価額の合計額が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)。経済産業大臣の確認を受けられる期間は令和11年(2029年)3月31日まで
17戦略分野との関係
2026年7月21日に閣議決定された「日本成長戦略」は、17の戦略分野を中心とした国内投資を進めるとし、「令和8年度税制改正において新設した大胆な投資促進税制について、周知・広報を通じて活用を促し、国内における高付加価値な設備投資を促進する」としています(内閣官房「日本成長戦略」(2026年7月21日閣議決定))。本制度の要件に、17の戦略分野に属することは含まれていません(財務省「令和8年度税制改正の大綱」)。
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