リスク

税制改正で制限された節税商品の歴史【2026年】航空機リース・足場・コインランドリー・マイニング

この記事の結論

税制改正で制限された節税の手法を年表で解説。航空機リースなど組合を通じた損失の取り込み(平成17年度改正)・足場などの少額資産の貸付け(令和4年度改正)・コインランドリー(令和5年度改正)・暗号資産マイニング(令和5・7年度改正)。GPUサーバーの扱いが変わるときの兆しも整理。

本記事はAIデータセンター投資ナビ編集部が作成しています。歴史的事実をもとに将来のリスクを評価するための情報です。

税制改正で制限された節税スキームの年表

改正手法改正で制限された内容
平成17年度(2005年度)税制改正航空機リース(組合を通じたリース)即時償却の特例を使う形ではなく、航空機リースなどで使われた、組合を通じて事業の損失を出資者が取り込む形について、平成17年度税制改正で、個人の組合員(重要な業務の執行に自ら関与する者を除く)の不動産所得の損失を生じなかったものとみなす特例(租税特別措置法41条の4の2。平成18年分以後)と、法人の組合員の損失の損金算入を制限する特例(同67条の12)が設けられた(国税庁「平成17年分 所得税の改正のあらまし」・国税庁「法人税基本通達等の一部改正(平成17年12月)主な改正点」)。匿名組合で航空機リース事業に出資した個人の損失の損益通算を認めなかった更正は、最高裁が2015年6月12日に適法と判断した(国税庁「税務訴訟資料」第265号-95)。
令和4年度(2022年度)税制改正足場レンタルなど少額の資産の貸付け少額の資産の取得価額を一度に損金にする特例を使う形。令和4年度改正で、少額の減価償却資産(取得価額10万円未満)・一括償却資産(20万円未満)・中小企業者等の少額減価償却資産の特例(30万円未満)の対象から、貸付け(主要な事業として行われるものを除く)の用に供した資産を除外(令和4年4月1日以後の取得等から。国税庁「令和4年度法人税関係法令の改正の概要」・国税庁 タックスアンサーNo.5408)。資産の種類は限られていないため、ドローンやLED照明なども、少額の資産を貸し付ける形であれば同じ扱いになる。
令和5年度(2023年度)税制改正コインランドリー中小企業経営強化税制の即時償却を使う形。令和5年度改正で、コインランドリー業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを、中小企業経営強化税制の対象から除外。中小企業投資促進税制の対象の機械装置からも同じ資産を除外(国税庁「令和5年度法人税関係法令の改正の概要」・国税庁 タックスアンサーNo.5434)。
令和5年度(2023年度)・令和7年度(2025年度)税制改正暗号資産マイニング中小企業経営強化税制の即時償却を使う形。令和5年度改正で、暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産でその管理のおおむね全部を他の者に委託するものを対象から除外し、令和7年度改正で、A類型・B類型・D類型の対象から暗号資産マイニング業の用に供する設備を除外(国税庁「令和5年度法人税関係法令の改正の概要」・国税庁「令和7年度法人税関係法令の改正の概要」)。暗号資産の還元や節税効果をうたってマイニング装置の購入者を募っていた株式会社ドローンネット(DNN)は、東京国税局から約30億円の所得隠しを指摘されたと報じられた後、2025年12月18日に破産開始決定を受けた(負債総額約1,445億円。東京商工リサーチ)。
現在(2026年10月2日時点)GPUサーバーGPUサーバーを名指しで対象外とする規定は、2026年10月2日時点の国税庁・中小企業庁・財務省の公表資料に見当たらない(暗号資産マイニング業の用に供する資産は対象外)。対象になるかは制度の要件と契約の内容と実態による(貸付けの用に供する資産は対象外。国税庁 タックスアンサーNo.5434)。

制限された経緯のパターン

国税庁の資料と判決で確かめられる、節税の手法が使えなくなった経緯は次の2つです。

  • 税制改正による対象の除外・損失の制限:特定の事業の用や貸付けの用に供する資産を、即時償却や少額資産の特例の対象から除外した(令和4年度・令和5年度・令和7年度改正)。組合を通じた事業の損失は、計上できる範囲を制限した(平成17年度改正)
  • 税務調査・裁判での判断:例えば、匿名組合で航空機リース事業に出資した個人の損失の損益通算を認めなかった更正は、最高裁が2015年6月12日に適法と判断した(国税庁「税務訴訟資料」第265号-95)

GPUサーバーへの示唆

2026年10月2日時点で、GPUサーバーを名指しで対象外とする規定は国税庁・中小企業庁・財務省の公表資料に見当たりませんが(暗号資産マイニング業の用に供する資産は対象外)、以下のような動きが出た場合は、制度の扱いが変わる可能性があります。

  • 国税庁が「GPUサーバーの事業実態に関する通達」を発出
  • 税制改正大綱でGPUサーバーが「対象外」に明記
  • 国会・財務省でGPUスキームへの問題提起が始まる

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