ブロードバンドタワー、DC資産運営で協業
この記事の結論
ブロードバンドタワーと自然オペレーションズは9月15日、データセンターの設備運用と資産運営を組み合わせる協業契約を発表。投資家向け受託体制を作ります。
概要:データセンターの「運営」と「資産運用」を一体で受託へ
東証スタンダード上場のブロードバンドタワーと、自然電力グループの自然オペレーションズ(SO)は2026年9月15日、データセンター(DC)の運営管理と資産運用を組み合わせた包括的な協業に向けた契約を結んだと発表しました。
両社は、DCを保有・取得する投資家やオーナーから、施設の運用管理と資産の運営管理をまとめて受託できる体制の構築を目指すとしています。ブロードバンドタワーが26年にわたって培ってきたDCの運営管理の知見と、SOが再生可能エネルギーのインフラで培ってきた資産運用の知見を組み合わせる形です。
AIデータセンター投資を検討する読者にとっては、DCが「IT企業が自ら使う施設」から「機関投資家などが保有する投資対象の資産」へ変わりつつあることを示す動きです。
両社が挙げる「DCが投資対象になる理由」
発表文で両社は、DCが投資対象として注目される背景をキャッシュフローの性質で説明しています。DCはクラウド事業者や企業といったテナントと長期契約を結ぶのが一般的で、テナントもサーバーなどの設備投資を自ら負担するため、移行コストの高さや稼働中のシステムを止めるリスクから、契約期間中の解約や移行が起こりにくい構造にあるとしています。
加えて、需要がAIやクラウドの利用拡大という構造的な変化に支えられ、景気の短期的な変動に左右されにくいとも述べています。こうした長期で安定したキャッシュフローの特性から、長期保有を前提とする機関投資家や金融機関がDCを検討する機会が増え、国内でも売買や証券化を通じた流動化の動きが見られ始めていると説明しています。
これらは協業を発表した両社の見解であり、個別のDCの収益性を保証するものではない点に注意が必要です。
両社が挙げる「DC固有の難しさ」
一方で発表文は、DCが他の不動産にはない固有の難しさを持つことも明記しています。挙げられているのは次の4点です。
- 稼働開始から収益が安定するまでに時間がかかること
- 設備投資(Capex)が高額であること
- 電力・冷却・通信といった設備リスクのコントロールが難しいこと
- テナントの入れ替えの難度が高いこと
両社は、これらがDCを一般的な不動産とは異なるリスク・リターン特性にしている理由だとし、DCは取得した後の「運営の質」が資産価値と収益をそのまま左右する資産だと述べています。そのうえで、市場の流動化が本格化する前に、設備を安定稼働させる技術力と、資産価値の維持・向上や投資家への説明責任を担う資産運営の視点を一体で提供できる体制を築く必要があるとしています。
役割分担と両社の実績
協業の第一段階として、ブロードバンドタワーはDCの運営管理の知見を生かし、技術面に焦点を当てたDC運用の高度化を担当します。SOは、再エネ発電所やインフラファンドで培ったオルタナティブ資産の運営実務の知見を生かし、不動産流動化や資産運営の観点から助言します。DC関連プロジェクトの共同組成や業務の請負についても協調して検討するとしています。
SOはこれまで、受託資産残高1,500億円以上、650MW以上の再エネ発電事業を対象としたアセットマネジメントサービスを国内外の機関投資家や金融機関に提供してきたと説明しています。国内で累計1GWを超える再エネ発電所の運営・保守も行っており、DCの保安分野への参入も進めているとしています。
両社は今後、再エネを活用したDCや地域分散型DCなどに関する協業も検討するとしています。
DC投資を見る個人・中小企業にとっての論点
ここからは本サイトの見方です。DCリートやDCファンド、GPUサーバーを預ける形の投資など、DCに関わる投資の形はいくつかありますが、今回の発表文が指摘する4つの難しさは、どの形でも収益を左右する要素です。
投資を検討する際は、少なくとも次の点を運営会社に確認するとよいでしょう。
- DCの運営管理を誰が担い、どの程度の運用実績があるか
- 電力・冷却・通信の設備にどのような冗長性があるか
- 稼働率や契約期間などの実績を投資家に定期的に報告する仕組みがあるか
今回の協業は体制づくりの第一段階で、具体的なサービスの内容や受託の実績はまだ発表されていません。運営と資産運用を一体で受ける担い手が国内で増えるかどうかは、DCの流動化が進むうえでの注目点です。
よくある質問
ブロードバンドタワーと自然オペレーションズの協業は何をするのですか?
データセンターを保有・取得する投資家やオーナーから、施設の運用管理と資産の運営管理を一体で受託できる体制の構築を目指すものです。2026年9月15日に協業に向けた契約を結んだと発表しました。
データセンターが投資対象として注目される理由は?
両社の発表では、テナントとの長期契約が一般的で解約や移行が起こりにくいこと、需要がAIやクラウドの拡大に支えられていることから、長期で安定したキャッシュフローが見込める点を挙げています。
データセンター投資のリスクは何ですか?
両社は、収益が安定するまで時間がかかること、設備投資が高額であること、電力・冷却・通信の設備リスクの管理が難しいこと、テナントの入れ替えが難しいことの4点を挙げています。
出典
- ブロードバンドタワー ブロードバンドタワーと自然オペレーションズ、データセンターの設備運用・資産運営に向けた協業を開始(2026年9月15日)
- 自然オペレーションズ ブロードバンドタワーと自然オペレーションズ、データセンターの設備運用・資産運営に向けた協業を開始(2026年9月15日)
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