ドコモビジネス、1GPUから使えるGPUaaS開始
この記事の結論
NTTドコモビジネスは9月17日、1GPU単位から使えるGPUクラウド「GPUaaS」を9月30日に開始すると発表。12月にはMEC直結も予定しています。
概要:国内完結のGPUクラウドを1GPU単位で
NTTドコモビジネス(旧NTTコミュニケーションズ)は2026年9月17日、高性能なGPUリソースとAI開発環境を統合したGPUクラウドサービス「GPUaaS」の提供を始めると発表しました。提供開始日は2026年9月30日で、申し込みは同社の営業担当への問い合わせで受け付けます。
特徴は、GPUを1GPU単位で使い始められることです。小規模・短期間の概念実証(PoC)から本格運用まで対応し、利用者専有のGPU環境と組み合わせたハイブリッド構成もとれます。閉域網や同社の法人向けクラウドと組み合わせることで、AI処理やデータの管理・保管を日本国内で完結できるとしています。
9月24日には、IoT向けネットワークサービス「docomo business SIGN」のモバイル網に直結したマルチアクセス・エッジ・コンピューティング(Multi-access Edge Computing、MEC)のサーバー基盤とGPUaaSを直結する機能を、2026年12月に提供すると追加で発表しました。
GPUaaSの4つの特長
発表文が挙げる特長は次の4点です。
- 1GPUからスモールスタート:GPUの調達や資産保有をせずに、クラウドとして1GPU単位で使えます。本格利用時は利用者専有のGPU環境に広げることで、GPUコストを最適化できるとしています。
- AI/GPUコントローラーの提供:GPUの割り当てや利用状況の可視化、JupyterLabやVisual Studio Codeを使った開発環境、学習ジョブの実行・追跡、データセットとモデルの管理をウェブブラウザー上で使えます。
- ハイブリッド構成:専有GPU環境と組み合わせて統合管理でき、離れたGPU環境同士を同社の「docomo business APN Plus」などの大容量・低遅延回線で結べます。
- ソブリンAIの支援:閉域網「docomo business RINK」での接続や、同社クラウド「Smart Data Platform」との連携で、AI処理からデータ保管までを国内で完結できます。
想定する利用者は、AI開発企業、製造業、創薬関連企業、大学・研究機関のほか、自社の業務システムにAIを組み込みたい企業です。
9月24日発表:MECとGPUaaSの直結(2026年12月予定)
NTTドコモビジネスは9月24日、docomo business SIGN の「Advanced」メニューを強化し、モバイルネットワークに直結したMECサーバー基盤とGPUaaSを一体で提供すると発表しました。提供開始は2026年12月の予定です。IoT機器が集めたデータの収集・蓄積からAI推論までを、同社のネットワーク内のソブリンAI環境で行えるようにするものです。
同社は、ソブリンなMEC環境とGPUaaSを組み合わせてサービスメニューとして提供するのは国内企業で初めてだとしています。利用者は自社でGPU設備を持たずに、1GPU単位から計算資源を使えます。さらにMECとGPUaaSの上で動くマネージドコンテナ実行基盤を2027年度に提供する予定です(発表文のスケジュールでは「検討中」と記載)。
主な用途として、ロボットや自動運転などの現実世界で動くAI(フィジカルAI)を挙げています。個人情報を含む映像や製造上の機密データを、国内で管理された環境で扱いたいという需要を見込んでいます。
GPUサーバーを「持つ」か「借りる」か
GPUサーバーを自社で購入する場合は、資産として計上し、条件を満たせば税制上の特例を検討できます。一方、GPUaaSのようなクラウドは資産を持たずに利用料として使う形で、GPUの陳腐化や故障、設置場所の電力・冷却といった負担を利用者が直接負わずに済みます。
ここからは本サイトの見方です。AIを「自社の業務で使いたい」企業にとっては、1GPUから試せるクラウドは、大きな初期投資の前に必要な計算量を見極める手段になります。反対に、GPUサーバーの保有そのものを節税や投資の目的にする場合は、クラウドの普及が貸し出し単価や稼働率に影響する可能性がある点を意識しておくべきでしょう。
なお今回の発表文には、GPUaaSで使えるGPUの機種や料金の記載はありません。比較検討する際は、営業担当から機種・単価・最低利用期間の条件を確認する必要があります。
今後の予定
NTTドコモビジネスは、GPUaaSをはじめとする高性能なコンピューティング環境を広げ、ネットワークやマネージドサービスと組み合わせて、同社のAIインフラ構想「AI-Centric ICTプラットフォーム」を拡充するとしています。IoT・エッジなどの現場側までを含めたAI活用基盤の提供も目指します。
2026年10月8日と9日に東京のザ・プリンス パークタワー東京で開く「NTT docomo Business Forum'26」で、GPUaaSを紹介する予定です。同フォーラムは完全招待制と案内されています。
国内の通信事業者によるGPUクラウドの提供は、データを国外に出したくない企業や自治体の選択肢を広げる動きです。MEC直結の機能が予定どおり12月に始まるか、料金体系が公表されるかが、次の確認点になります。
よくある質問
NTTドコモビジネスのGPUaaSはいつから使えますか?
提供開始日は2026年9月30日です。申し込みはNTTドコモビジネスの営業担当への問い合わせで受け付けています。
GPUaaSは何GPUから借りられますか?
1GPU単位から利用できます。小規模なPoCから始め、本格利用時には利用者専有のGPU環境に広げるハイブリッド構成にも対応しています。
GPUaaSの料金やGPUの機種は?
2026年9月17日の発表文には料金とGPU機種の記載はありません。営業担当に確認する必要があります。
MECとGPUaaSの直結はいつから?
NTTドコモビジネスは2026年9月24日の発表で、docomo business SIGN のMECサーバー基盤とGPUaaSの直結モデルを2026年12月に提供開始する予定だとしています。
出典
- NTTドコモビジネス 1GPUから利用可能なAI開発基盤「GPUaaS」を提供開始(2026年9月17日)
- NTTドコモビジネス セキュアなフィジカルAI活用を支える環境を「docomo business SIGN」で実現(2026年9月24日)
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