IOWN光回線が西日本拡大、SINET6接続も
この記事の結論
NTT西日本は9月18日、最大800Gbpsの光回線サービスの提供エリアを西日本全域へ拡大。ハイレゾ高松DCはSINET6への接続も始めました。
概要:DC間・DC拠点間の光回線が地方へ
2026年9月、NTTの次世代光通信構想IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)を構成するオールフォトニクス・ネットワーク(All-Photonics Network、APN)を、AIデータセンター(DC)の接続に使う動きが2件発表されました。
1件目は9月18日のNTT西日本の発表で、法人向けサービス「All-Photonics Connect powered by IOWN」のタイプ3とタイプ4の提供エリアを、NTT西日本の全エリアへ順次広げるというものです。2件目は9月24日のハイレゾの発表で、香川県の高松市データセンターを、国立情報学研究所(NII)が運用する学術情報ネットワーク「SINET6」にAPNを使って接続したという内容です。
APNは信号を電気に変えず光のまま送るため、大容量・低遅延・低消費電力の伝送ができるとされています。離れた場所のGPUを使うには通信の遅延と容量が壁になるため、回線側の整備は地方のGPU拠点の使われ方に直結します。
NTT西日本:最大800Gbpsのサービスを西日本全域へ
NTT西日本によると、タイプ3・タイプ4は最大800Gbpsの帯域に対応し、NTT東日本エリアとの接続も可能です。現在の申し込み受付エリアは関西・東海・中国・九州の一部で、2027年9月から北陸などへ、2028年1月から四国などを含む西日本全域へ広げます。
| 時期 | 対象府県 |
|---|---|
| 受付中 | 大阪府、京都府、奈良県、兵庫県、愛知県、静岡県、三重県、広島県、岡山県、山口県、福岡県 |
| 2027年9月提供開始 | 滋賀県、岐阜県、石川県、富山県、福井県、島根県、鳥取県 |
| 2028年1月提供開始 | 和歌山県、愛媛県、香川県、徳島県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県 |
今後の提供予定エリアも事前受付を始めています。NTT東日本エリアをまたいで使う場合は、NTT東日本の同サービスの契約・料金が別に必要です。利用イメージの1つ目として、AIデータセンター間やDCと拠点間を結んで分散型のGPU環境を作る使い方が挙げられています。
ハイレゾ:高松市DCのGPUを全国の大学・研究機関へ
GPUクラウドサービス「GPUSOROBAN」を運営するハイレゾは、クラウド接続サービス提供機関として、2026年9月から高松市データセンターとSINET6を接続しました。DCからSINET6の通信拠点までのアクセス回線にAPNを実装したとしています。これにより、SINET6を使う全国の大学や研究機関に、高松市DCのGPU計算資源を提供する体制が整ったと説明しています。
高松市データセンターは2024年12月に開設したGPU専用のDCで、中四国地方で初めてのGPU専用DCとして稼働したと同社は説明しています。床面積は約687平方メートル、投資額は約100億円です。
ハイレゾは、GPUSOROBANの累計利用実績が2,000件を超え、IT業界から製造業、建設業、大学研究機関まで幅広く使われているとしています。同社は佐賀県玄海町のDCで、総務省のワット・ビット連携関連実証(九州電力などのコンソーシアム)にも参加しています。
地方のGPU拠点にとっての意味
地方にあるGPUの需要を左右するのは、利用者がいる都市部や研究機関との間の通信です。今回の2件は、通信事業者側のサービスエリア拡大と、DC事業者側の学術ネットワーク接続という、需要側とつながる経路を広げる動きです。
ここからは本サイトの見方です。GPUサーバーを購入してDCに預ける投資を検討する場合、預け先のDCがどのネットワークにどの品質でつながっているかは、稼働率を見るうえでの判断材料になります。学術ネットワークへの接続は、大学・研究機関の需要を取り込む経路を持つことを意味します。ただし接続したことがそのまま利用の増加を保証するわけではなく、実際の稼働状況は事業者に確認する必要があります。
また回線の提供時期は地域によって異なり、NTT西日本のタイプ3・タイプ4は四国や九州の多くの県で2028年1月からの提供予定です。地方拠点の計画を見る際は、回線の開通時期もあわせて確認するとよいでしょう。
よくある質問
NTT西日本のAll-Photonics Connectはいつ西日本全域で使えますか?
タイプ3とタイプ4は、2027年9月から北陸エリアなど、2028年1月から四国エリアを含む西日本全域で提供を始める予定です。予定エリアも事前受付を始めています。
All-Photonics Connectの最大速度は?
NTT西日本の発表によると、タイプ3・タイプ4は最大800Gbpsの帯域に対応し、NTT東日本エリアとの接続も可能です。
ハイレゾの高松市データセンターはSINET6につながったのですか?
ハイレゾは2026年9月24日、同年9月から高松市データセンターとSINET6を接続し、アクセス回線にIOWN APNを実装したと発表しました。
SINET6とは何ですか?
国立情報学研究所(NII)が構築・運用する学術情報ネットワークで、全国の大学や研究機関の情報基盤として使われています。
出典
- NTT西日本 「All-Photonics Connect powered by IOWN」の提供エリアを拡大(2026年9月18日)
- ハイレゾ IOWN APNで学術情報ネットワーク「SINET6」とAIデータセンターを接続(2026年9月24日)
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